system:無軌道備忘録
ふっと浮かんだあの思い出、出来事、誰かのいった良い言葉を、消える前にあまねく記録するのです。無軌道な感じで。力まずに。

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ファンタージェン(違う)

「ゲド戦記」がジブリでアニメ化されるらしいですね。
ハリーポッターが火付け役になったここ数年のファンタジーブームですが、「これだけは映像化されないだろう」と思っていた作品でした。まあ、逆に言うと布教活動をした作品でもあるんですが。


というわけで以下「ゲド戦記」について触れますが、内容について派手にブチあげてる箇所がありますので、アニメが楽しみな人や、これから原作を読もうとしている人は気を付けたり他のもっと愉快なホームページなどを見たりしてくださいね。




<こんな本です>
「真の名前」を知ることで、「太古の言葉」が魔法っぽい力を発揮する「アースシー」という世界のファンタジーもの。作者はアースラ・K・ル=グウィン。カッコいい名前ですが女性です。全5巻+外伝で、書き始め(1968)から完結(2004)まで36年もかかっています。もっとも、三巻で終わりのはずが間をおいて随分続編を出しているので実はまだ終わってないのかもしれません。


さて、肝心の内容についてですが、特筆すべきはその渋い展開です。戦闘シーンとか存在しません。さらに折角ある魔法ですが使うシーンもあまり出てきません。「無駄に魔法を使うのはよくない」とギルドで決められているせいで、作中で使われる魔法の7割くらいは「船を進める為に風を吹かす」魔法です。
アニメ化の際はこの原作の(悪い意味でなく)ペッタリ感がどうなるのか非常に気になります。




<各巻の見所と雑感>
とはいえこれだけ述べただけでは「映像化されない」という予感に疑問を持たれるでしょう。
正確に言えば、「一巻と三巻は映像化されるかもしれない」と思っていました。問題はその他の巻です。
それでは各巻の簡単で尚かつ俺視点のあらすじを以下に。


一巻:影との戦い
すばらしい魔法の才能があった少年ハイタカ(真名ゲド)はついやんちゃしちゃって「影」を呼び出してしまい、酷い目に遭います。常に後を付け回す「影」におっかなびっくりしながらなんとかします。余談ですがゲドの飼ってるペットが「オタク」っていうのプチうける。


二巻:こわれた腕輪
二つ合わさったときに世界平和をもたらすらしい「エレス・アクベの腕輪」をゲットする為「アチュアンの墓所」に潜入するゲド。が、この巻の主人公はテナーという少女(巫女さんという設定です)で、ゲドは最初っから最後まで罠にかかって死にそうな脇役です。


三巻:さいはての島へ
世界を統べる「王」候補のアレン君(後にレバンネン王)と一緒に永遠の命を得ようと企む魔法使いをやっつけ、生死の境界の扉を頑張って閉じてゲドは魔法の力をすべて失います。ちなみにこの巻でゲドはもうジジイになってます。


四巻:帰還
後述。


五巻:アースシーの風
三年前くらいに読んだんですが、まるで思い出せません。ググって正しいあらすじとかも読んだんですが、やっぱり思い出せませんでした。すいません。


外伝:ゲド戦記外伝
読んでません。母上様をせっついて買わせたいと思います。(というのもうちにあるシリーズは全部母上様のものだからです)




<「帰還」について>
さてさて、全くの個人的主観且つ嗜好になりますが、この巻は見所満載です。
三巻で魔法の力をすべて使い果たしたゲドはもう本当にただのジジイになってしまいました(推定60歳くらい)。最初こそ世界を救った満足感があったゲドですが、時間がたつにつれ自分があまりにただのジジイであるのにがっかりしてきます。いじけながら余生を過ごそうと故郷に帰ったゲドは二巻で助けた少女、テナーと再会します。当時は巫女で少女だなんてファンタジー万歳だの彼女でしたが、「普通に生きたい」という思いから普通の農夫と結婚し二子をもうけ(しかも息子は相当ダメ息子)、長年の畑仕事で手は荒れ、がっつり太ったおばちゃんになっての登場です。
夫に先立たれ、あとは畑を守りながら孫と戯れて死んで行くんだわと考えてる元巫女と、わしにゃあもう何にもないしあとは死んでいくだけじゃあと考えてる元最強魔法使いはある日、両親やその取り巻きに虐待&陵辱された少女テハヌーを助けます。で、なにやら陰謀めいた事件に巻き込まれてしまった模様。
クライマックスにザ・戦力外通告ズは夜襲を受けます。どうするおばちゃん、どうするゲド。しかたないのでゲドは熊手を持って戦いました。あとの二人のいろんな活躍もあり刺客をなんとか撃退、ゲドも人を一人ブチ殺しました。熊手で。
死線もくぐり抜け、一段落した二人はなんだかいい感じになります。


「ねえ、ゲド、わたしはどっちのベッドに寝たらいいかしら。」テナーはきいた。ゲドは深呼吸をひとつして、低い声で答えた。「よかったら、わたしのほうに。」


ゲドは60歳(推定)で童貞を喪失します。間違いなく「ゲド戦記」最大のショッキングシーンです。その後一悶着ありますが、事態はおおむね解決し、みんなで暮らすことになるのでした。




以上が(酷くひが目の)「帰還」のおおよそのあらすじです。
全体に満ちているあまりにもあまりな生活感は作者の意図したところでしょうが、ファンタジー作品だと言うことをすっかり忘れさせてくれます。フェミニズム問題に触れるあまりにディテールに違和感を感じるとか作中「セックス」という単語が出てくる児童文学ってどうなのとかファンの間でも評価の分かれる巻のようです。僕はといえば件のシーンで「うおお」とか「あああ」とかひたすら呻きっぱなしでしたが、個人的にはこういう笑いたいような泣きたいようなアンビヴァレントが感動することだと思っています。僕のこの定義に置いてですが、非常に大きな感動を与えてくれた作品です。




と、まあこんな感じですから正直映像化されるのは最初の巻だけだと思います。四巻の話ばかりしてしまいましたが、一巻が僕に合わないとか言うことはありません。はじめに(貧弱なボキャブラリで)述べたようにとても「渋い」展開です。ロープレっぽいの=ファンタジーという訳では決して無いわけで、百万点ファイアーボールとか印象迷彩とか無くっても立派なファンタジーが紡げることの証明ですよね。むしろそういう要素を取っ払った上でこれだけのテーマ提起とその回答を織り出そうとする姿勢はすばらしいことだと思います。


なんか話が堅苦しくなってきたのでそろそろやめます。
ただ、咀嚼しなければならないシーンがたくさんあるところをどうわかりやすくするかがジブリさんの腕の見せ所かと。個人的にはカラスノエンドウとのシーンを期待します。おわり。






<備忘録>
もしも東海域に来るようなことがあったら、おれんとこに必ず寄ってくれ。
もし用があったら、いつでも呼びによこしてくれ。おれの名を言ってな。
おれの名はエスタリオルだ。
-『影との戦い』-
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【2005/12/20 02:13】 本とか | トラックバック(0) | コメント(1) |

コメント

そういやアクロイド家のメイドの名前がアーシュラでしたよ。

あとオタクはフッフール→ファルコン変換をくらいそうな予感。
【2005/12/20 13:47】 URL | monado #PKBpEzPk[ 編集]

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